July 14, 2011

古い書棚から〜怪童の私的書評004

橋川文三著、筒井清忠編・解説『昭和ナショナリズムの諸相』、名古屋大学出版会、1994年

 近代日本思想史を、これほどコンパクトに、総花的に解説したものは、これまで読んだことがなかった。近現代史の歴史書の中でも、テロリストや思想家の内奥まで切り込んで書いたものは、筆者の少ない読書体験の中では皆無だったと思う。特に、単なる暴力事件として無視されがちな、昭和初期のテロと、その後の国家主義の関係の解明を試みるスタンスは、筆者の公民科研究に通じるところがあり、非常に興味深く読んだ。
 しかし、丸山批判を行いながら、なぜ「日本ファシズム」という擁護に拘っているのかについては、この本を読む限りでは回答は見出せない。それよりむしろ、本書中に登場する竹山道雄の「ファシズム」定義が的を射ていると思われる。
 1930年代に激化した、支那のナショナリズムには言及しても、理不尽な反日や、9カ国条約違反(日本がこれを墨守し、逆に中国や他の締約国がこれを無視した)への言及、国際共産主義の侵略的要素などとの関連が指摘されないことに、物足りなさを感じる。日本思想は日本の中で醸成されたものでないことは、橋川が北一輝における、中国ナショナリズム運動の影響を指摘していることでも明らかであるにもかかわらずである。
 偽書であることが明らかな、「田中メモランダム」を自明のものとし、偽南京事件を一方的な資料で肯定するなど、時代の限界を感じるのは致し方ない。また、本書が編者である筒井の言うように、端川論文の寄せ集めであり、超国家主義を橋川自身が体系的にまとめたものではないので、後年にそれを浅学の者が批判するのはお門違いなのかもしれないが、筆者が橋川のアプローチに関心を示しながらも、赤線を1本も引かないままに読了したことが、筆者の本書に対する期待の大きさに対して、回答が中途半端だったことを表している。
 橋川が体系的な超国家主義論を世に出さないまま、若くして没したことを筆者は心から惜しむものである。
※このシリーズは、最近読んだり、読み返したりした本の個人的な感想です。

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