February 27, 2011

古い書棚から〜怪童の私的書評003

鈴木孝夫著『日本人はなぜ日本を愛せないのか』、新潮選書、2006年

 普通に考えればショッキングなタイトルのはずだ。その国の人間がその国を愛していないということなど、基本的にはありえないからだ。しかし、日本ではその非常識が常識になっていることを、言語学者である著者は憂えており、専門家の立場から、その、世界の、というか、人間社会の常識と正反対のメンタリティーがなぜ発生したかを説いている。
 言うまでもなく、戦後、GHQが生み出した閉鎖的言語空間(既に江藤淳らが指摘しているところだが)だけではなく、それを受け入れる精神的余地が日本人にはあり、ややこしいことに、それが日本人の負の遺産というわけではなく、正の遺産である側面もある。それゆえに筆者は、遺産を正しく継承した上で、今後の日本及び日本人がどうあるべきかというヴィジョンをも示している。
 著者の分析には全面的に賛成するが、そのヴィジョンにある、「非武装」論はいただけない。著者の年配の人の反戦・反軍感情は、理屈を超越した絶対的なものになっていることを感じる、といえば穿ちすぎかも知れないが、幸か不幸か、この本が出版された後で、尖閣諸島、北方領土など、様々な国際紛争の渦中に立たされることとなった。軍事的センスがこの本に加味されておれば、今日の警世の書たりえたが、そうでなくても、本書における言語学的日本人分析は、一読の価値がある。
※このシリーズは、最近読んだり、読み返したりした本の個人的な感想です。

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